杉の木の箸の誤解
【杉の木の箸の誤解】
先日、修学旅行中の山形県の中学生のみなさんに箸作り体験をしてもらいました。
彼らの午後の予定が某夢の国だと言っていたので、箸作りがその思い出にかき消されてなければ良いのですが…。
さて、その箸作り体験で使用する木は杉がメインです。
杉は比較的やわらかく、カンナでも削りやすい材なので箸作りにも適しているのですが、結構多くの誤解をされている木でもあるので、今回は、その誤解を解いていきたいと思います。
誤解①
「花粉症だから杉の箸を使えない?!」
これ、実は結構多いです。
花粉症は杉の花粉に対するアレルギーであって、杉の木に対するアレルギーではありません。
まして木の皮も付いていない木材の状態では花粉なんかついていません。
花粉症の方でも杉の箸は使えますし、箸作りも問題ありませんので、ご安心を。
誤解②
「杉の箸は強度が弱い?!」
「杉は弱いから箸に向いてない」。
木工職人さんでもこういうことを言う方は割と多いです。
もちろん、材によって乾燥の仕方が違うとか伐採の時期などによってもそれは違ってきます。
そもそも木は生き物ですので、そりゃそれぞれ性格が違うというものです。
ですので、「弱い」という意見も完全に間違いというわけではないです。
ただ、そう言う木工職人さんもなんとなくイメージで「弱い」と思って、最初から杉を扱わないなんてケースも多いのです。。
だからと言って曲げ強度の数字を挙げて反論するつもりはありませんので、ぜひ杉の箸をはし藤本店で作ってみてください。
誤解③
「杉の箸はカビやすい?!」
杉はどちらかというと抗菌作用があるのでカビにくい木です。
だからこそ建築材などにも利用されて、私たちの目にも触れやすい木でもあります。
それだけにカビていると目立ちますね。。
実は杉の木の中でも抗菌作用が強く出る場所と、そうでもない場所があります。
強く出るのは、丸太の中心に近い方。色が赤みを帯びています。
赤い部分は抗菌作用がある物質が生成されている個所で、杉の良い香りもそこから発生しているため、丸太の外側(白い部分)よりも香りが強くなります。
では、丸太の外側を使った箸はすぐカビてしまうのか?
答えはNOです。
杉には水を吸いやすく吐き出しやすい性質があります。
なので、洗ったら水分を吸うのですが、その後にちゃんと水分を吐き出せてない(乾かない)うちに食器棚にしまったらカビてしまう可能性が高くなります。
逆に言えば、水分を吐き出させてやれば丸太の外側であったってそう簡単にはカビません。
洗ったら横向きにして2~3時間放置してください。
キレイに乾きます!
杉の木の箸に対する印象、少しは変わりました?
はし藤本店には杉の箸がいっぱいありますから、ぜひスタッフに聞いてみてください。
今月27(金)、28(土)には箸作り体験もあります。
詳しくはイベントページで。